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2005年10月12日 (水)

松永さんの著作「望郷子守唄~バナちゃん節のルーツを探る」

mojiko.comの魚住です。

今朝方、映画「バナナ」の上映会について書きましたが、この上映会を行う「北九州シネマサロン」の生みの親である松永武さんが本を書かれて、先週から書店に並んでいます。

『望郷子守唄 -バナちゃん節のルーツを探る―』
海鳥社 四六版 184ページ 1600円+税
ISBN4-87415-545-6

装丁:木戸聖子
挿画・扉画:古市桜子

内容は、「バナナの叩き売り」の口上「バナちゃん節」の成り立ちを考察したもの。

 バナナのたたき売りは、台湾から神戸に向かう途中の門司港で傷んだり熟れ過ぎたバナナを処分のため投売りしたのが始まりとされています。
根も葉もない売口上と思われがちな「バナナの叩き売り」の文句は、不思議に難しいセリフを織り交ぜながらもその筋書きや節回しは全国でほぼ共通化しています。
大正時代のたたき売りは、値段をじりじりと引き下げつつその中にかけ声やバナナの効用を入れている口上だったという。それが、いつからか歌舞伎や講談、浪曲、さらに時事問題まで踏まえるようになり、しかしそれほど内容が多彩になりながら、なぜその内容を載せる節回しなどは大筋で共通化されています。なぜなのか?
「売るためだけの口上を、洗練された芸に練り上げた場(情報のハブ)がどこかにあるはず」
それが松永さんの想定した仮説でした。そして、松永さんはその場(ハブ)は軍隊ではないか?と推測します。
今の叩き売りの口上のモデルとなった節回しは、「満期操典」をさらに俗っぽく唄った「軍隊のぞき」ではないか?と。

 松永さんの論考から、「なぜ門司発祥なのか?」という疑問にもひとつの答えが出る気がします。日本全国から軍人が、可能性にかけた民間人が、大陸へ南洋へと旅立った日本拡大の起点門司。敗れて撤収し復員し、戻ってきてひと時を過ごした筈の門司。その地で行われていたバナナの口上付投売りが全国に広がったのは、バナナを追って芸人が全国を廻ったからではなく、出征前のひと時や復員してのひと時、その口上を慰めとした人々が部隊内で、復員先の全国で広めたからなのではないか・・・?

 松永さんの今回の著作は、「バナナの叩き売り」という売口上の「正調」を数多くの証言をもとに探ることから、昭和を生きた人々をも掘り起こす民俗学的な価値にも踏み込んでいるように思います。

ぜひ、お手にとってお読みください。北九州近辺ですと、小倉のクエストや金山堂などで販売しております。(クエストは自主出版物に対しては異例なことにフェアを開催していました)

遠方の方は、宗文堂さんにFAXでご注文ください。先日「海峡浪漫」の販売について紹介した本屋さんです

宗文堂さんの連絡先 
住所 門司区栄町6-5  
電話 093-321-0619  FAX 093-321-5376

matunaga_book  

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