« さっぱりわからない外国人参政権付与問題 選挙原理主義者ならこんな行動とるわけないと思う | トップページ | 「遠くへ行きたい」と角文研の五周年大会 »

2010年1月22日 (金)

えっ、日本国憲法上は政府に法案提出権はないの?

今朝の外国人参政権問題の関係で頭の隅にひっかかっていたのですが、「日本国憲法では、政府に法案提出権がないことが明確に書かれている」という意見があります。
宮崎正弘の国際ニュース・早読み - メルマ!
平成22年(2010年)1月13日(水曜日)通巻2837号
http://www.melma.com/backnumber_45206_4730335/
読者の声のコーナー、(読者の声6)です。
以下、長いですが引用します。

日本国憲法では政府に法案提出権はありません。いくら読んでも大日本国憲法では明確に書かれていた政府の法案提出権が記述されていません。
それは当たり前です。日本国憲法では、政府に法案提出権がないことが明確に書かれているからです。
日本国憲法は、第七十三条で以下のとおり政府が行なうことを許されていることを規定しています。
 第七十三条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
  一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
  二 外交関係を処理すること。
  三 条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、
    国会の承認を経ることを必要とする。
  四 法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。
  五 予算を作成して国会に提出すること。
  六 この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。
    但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
  七 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

憲法は、広義の政府の各機関つまり内閣(行政部)、国会(立法府)、裁判所(司法部)さらに立憲君主国では君主、そして統治される対象である国民の権利の限界を示し、各者の専横を防ぐためにあります。
したがって第七十三条に書かれていること以外を内閣が行なうことは禁止されていると考えることが合理的です。
したがって「第七十二条 内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する」にある議案とは法案ではなく、内閣の職掌として第七十二条五項にかかれた予算案のことであることは明確です。
また「第七十四条 法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする」は内閣の法案拒否権とも解釈可能です。これは米国憲法で大統領は法案提出権はないが、法案の拒否権があることを模しているものと思われます。法案の拒否権のような重要なことを曖昧に書くとは相当に幼稚な憲法であり憲法起草者であったということでもあります。
拒否権に関しては明確ではありませんが、内閣に法案提出権がないことは明確です。
では何故日本国憲法下で、法案を提出しそれを国会の採決で法律とすることが可能なのでしょうか。
昭和21年1月16日法律第五号、「内閣法」の中に「第五条 内閣総理大臣は、内閣を代表して内閣提出の法律案、予算その他の議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告する」を滑り込ませることにより、内閣につまり実質的には官僚に法案提出権をあたえました。
これは日本国憲法施行後は明確に違憲です。
それ以前は大日本帝国憲法で内閣には法案提出権があったので、不要な法案でした。
しかしこの神をも憲法をも恐れぬ蛮行を政府も、官僚も頬かむり。占領下においてGHQは連合軍に損にならないことゆえ知らぬふり、それが今まで続いています。
この点を指摘し内閣が提出した法案に基づく法律を全て無効とすれば、大混乱になることを恐れ、現在も法律学者は口をぬぐっています。
そして今、民主党は、違憲の内容の外国人参政権法案を違憲ではあるが憲法の下位法である内閣法の条文を根拠として法律化しようとしています。
これは憲法は国家の基本法ではなく、国会で多数の党が違憲のプロセスで違憲の法律を成立させることが許されること、つまり憲法は一般の法律の下位法であることを民主党が主張しているということです。
内閣法第五条の違憲性を暴くことは戦後政治の根幹をゆるがすことに繋がります。そろそろ、この狂気の喜劇に幕をおろして、新たな理に適った舞台を開く潮時ではありませんか。

いや、「大日本帝国憲法で内閣には法案提出権があった」と明言してよいのかどうか?「内閣」の明確な定義すらないと思うけど・・・。定義があるのは、天皇・臣民・そして国務大臣が輔弼しないと天皇単独では法も国務上の命令も成立しないということ。
寧ろ、「政府」を明確に定義しなかったからこそ、慣習法によって議会の首領が臣下筆頭として内閣をつくり議会から大臣をリクルートしてくる立憲民主主義体制が成立・発展する余地があるわけで・・・。
(加えて言えば、統帥権の独立だの干犯だの、鳩山首相のおじいちゃんが政局のためにひねり出したへ理屈(国を滅ぼしたへ理屈!!)など、明治憲法のどこにも定義されていない 注.11条は元首が全軍の最高司令官でその命令を外れた勝手な軍事行動はありえないという当たり前のことを定義しているだけ)

まぁ律令は厳としてありながら、社会は式目を作ってそれに従って治まっていたという国ですし、自民党政権は法律で作った公務員改革を政令で潰したし、民主党政権は会社法の規定を踏みにじって郵政に新社長を送り云々(おっとっと、議論になると自分の会社と会社の社長以下の社会的正統性が問題になり「燕賊簒奪」とか書くバカも出たりしたらあぶねぇから、お口にチャック!)、まぁそういう国だということを考えれば、あまり目くじらを立てても、という気はしますが、法意識の問題ではなく、法の厳密さという点ではどうなんだろう、とかちょっと気になったので、寝る前に備忘のメモとしてここに書いときます。

提出権のことももっと突き詰めると面白そうですが、74条は拒否権だ、という指摘もどうなのでしょう?
仮に国会が議決した法律に大臣が頑として署名を拒否、総理大臣も同じく拒否した場合って、その法律どうなるのでしょう?
国会が立法権に基づき議決したのですから法律として成立している筈ですが、行政がそれに従わないで無視する場合ってのは、やはり倒閣運動開始となって、法案にサインする人間が新たに行政府の長として議会から選出されるか、議会が撤回を議決するまで立法府と行政府は戦争状態ということでしょうか・・・。

因に、日本国憲法の条文はこちら
& 大日本帝国憲法の条文はこちら
参考までに両方読めるようにリンク張って置きます。
ついでに、大日本帝国憲法が天皇を専制君主ではなく制限君主と定義して「公布されねばならない」正統性は五箇条の御誓文によるでしょう。
そのあたりは、こんな変痴気論もありうる、ということで。
国民が主権を保有することを担保するもの

|

« さっぱりわからない外国人参政権付与問題 選挙原理主義者ならこんな行動とるわけないと思う | トップページ | 「遠くへ行きたい」と角文研の五周年大会 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/137940/47363924

この記事へのトラックバック一覧です: えっ、日本国憲法上は政府に法案提出権はないの?:

« さっぱりわからない外国人参政権付与問題 選挙原理主義者ならこんな行動とるわけないと思う | トップページ | 「遠くへ行きたい」と角文研の五周年大会 »